dilluns, 6 de desembre del 2010

La RUMBA a TOKIO!! -12/18(土)西麻布CLUB 3.2.8

 一時帰国の間に友人のイベントに参加することになりました!!
つなぐことしかできないなんちゃってDJですが、新旧とりまぜたルンバ・カタラーナを21時から一時間回す予定です。とりあえず素材だけは豊富にあるので、ルンバに興味のある方は是非とも遊びに来てくださいね。
また、Santa Rumbaサンタ・ルンバの特別日本語版をバルセロナから持って行きます。サンタ・ルンバとはルンバをこよなく愛するSant Gaudenciサン・ガウデンシが定期的に発行しているルンバのファンジンで第一号はこちら。
バルセロナでは1ユーロで販売していますが、日本語版はサン・ガウデンシからのクリスマスプレゼントとして無料で配布することになりました。相棒のカタルーニャ人が配布しますので、ご希望の方は気軽に声をかけてください。資金が集まれば第2号も作りたいのでカンパ大歓迎です!!数に限りがありますのでお早めに。

***以下、告知文です。***
今回はなんと西麻布の老舗クラブ328にてクリスマスパーティとして開催。クラブカルチャーが盛り上がっていた1995年前後、僕が20代後半にほぼ毎週通っていた思い出深い場所です。あの当時、青山・渋谷・恵比寿界隈のクラブを色々とハシゴしましたが、最終的に辿り着く所は此処でした。流れる音楽の幅広さとユニークさでは大変勉強させて頂きました。
1979年6月OPEN以来30年間営業を続けているCLUB 3.2.8。現在もファットボーイスリム、モビー、アンダーワールドも来店しているとのこと。久しぶりのオールナイトになりますが、羽目を外して皆で大騒ぎしませんか?  
イベント名:ミックスジュース★パンチ!  
日時:2010.12.18(SAT)
時間:19:00open-翌5:00
場所:西麻布328 http://www.3-2-8.jp/ 
住所:東京都港区西麻布3-24-20 B1F
電話:03-3401-4968
料金:2000円(ワンドリンク付き)  
DJ:Funky-T、IZU、Knockin'、Ebita、S★ken、鶴羽敏行、HALKI&More
Live:Daisy Planet  
大人がはじけて楽しめるイベント!悩殺必至!音楽をこよなく愛する曲者DJ陣がジャンルを超越した新感覚・時空間をプレゼント。音楽が好き。Danceが好き。本能のまま、とにかく楽しく踊りたい!-そんなあなたのココロを踊らす、オールジャンルのクラブイベント《ミックスジュース★パンチ!》。SOUL、LATIN、BOSSA、HOUSE、AFRO、JAZZ、REGGAE、SPAINなど、新旧とりまぜGood Musicを何でもミックス!暖かいバイブレーションがフロア全体に満ち渡り、ウッカリ楽しくなっちゃう感じなのれす。乞うご期待!  
<History>
Vol.1 2002.2.23 三茶 Grapefruit Moon All Night
Vol.2 2002.8.10 沖縄 四月の水 All Night
Vol.3 2003.4.25 青山 66modern All Night
Vol.4 2003.8.9 沖縄 四月の水 All Night
Vol.5 2004.10.8 青山 蜂 All Night
Vol.6 2005.4.28 青山 蜂 All Night
Vol.7 2005.8.28 青山 蜂 sunday afternoon party 
Vol.8 2005.12.18 青山 蜂 sunday afternoon party
Vol.9 2006.12.16 青山 蜂 saturday afternoon party 
Vol.10 2009.9.21 逗子 cinema amigo afternoon party

dijous, 11 de novembre del 2010

チャルリ・ブラウンのルンバ・ラジオ・ショー『ACHILIFUNKアチリファンク』

世界で5本の指に入るレコード・コレクターAlejandra Fierro Eletaアレハンドロ・フィエロ・エレタ。Gladys Palmeraグラディス・パルメラという名前で知られる彼女が指揮を取るインディペンデント系の音楽専門ラジオ局がバルセロナにあります。その名も Radio Gladys Palmeraラジオ・グラディス・パルメラ。彼女が所有する10万枚を越える膨大なコレクションをベースに、1999年以来『ワールド&ラテン音楽』に特化したラジオ番組を放送してきました。現在はインターネット放送を行っているので、もちろん日本からでもお楽しみいただけます。

ラテンジャズ、フュージョン、サルサ、カリブなど、それぞれのテーマに合わせた選曲で構成されているGPRのプログラムの最大の特徴は、ナビゲーターがそれぞれのジャンルの大第一人者であるということ。そこでは、世界的に有名なコロンビア人ジャーナリストJosé Arteagaホセ・アルテガスの『TANGAタンガ』やサルサ好きにはお馴染みのFaniaファニアレーベルの公認プログラム『LA HORA FANIÁTICA ラ・オラ・ファニアティカ) 』などと並んで、我らがTxarly Brownチャルリ・ブラウンのルンバ・ラジオ・ショー『ACHILIFUNKアチリファンク』が毎週放送されています。さすがバルセロナ発!!
 
ということで、現在スペイン時間の金曜日の夜11時からチャルリの詳しい解説付きで、すでにルンバの歴史の一部となったクラッシック・ルンバの名曲から、現在のルンバ・ファンクやルンバ・フュージョンまで、ルンバ漬けの一時間がお楽しみいただけます。基本的には前半30分が過去のルンバ、後半30分が現在のルンバという構成。

とは言っても、その時間は日本の土曜日の朝7時。そんな時間に起きるのは辛いなと思っている方も、ご心配なく。過去の分も含めて、いつでも好きなときにRGP のサイトで聞けるようになっているんです。興味のある方はこちらから放送日毎に選んで聞いてみてくださいね。

また、とってもありがたいことにRGPのサイト内特設ブログには放送日毎にプレイリストが掲載されています。解説はスペイン語ですので、こちらを参考にしながら聞くとさらに楽しめると思いますよ。
Que tinguis bona estona amb la rumbita catalana!!

コンピAchilifunkシリーズもすで三作目。最新作Banda Achilifunk & Original Jazz Orquestra Taller de Músics名義の『Gitano Real』が10月20日に発売となりました。その中からLos Amayaのカバー『Coco』をご紹介しておきます。




dissabte, 2 d’octubre del 2010

さよなら、オホス・デ・ブルッホ〜Adeu, Ojos de Brujo-追加情報

どうやらオフィシャルらしい解散に関するアナウンスをみつけました。


「オホス・デ・ブルホとして、レコードを発表するなどのアーティスト活動をしてきた10年間。5大陸を駆け巡り、様々な賞を手にして、空に手が届くような幸福な思いをする機会を何度も得た。そして、今、私たちは大きなものを残して別れを告げたいと思っている。とびきり素晴らしいコラボレーションによるアルバム(10 AÑOS-
CORRIENTE VITAL)と最後となる2011年世界ツアーは、あらゆる意味でたくさんのことを学び、素晴らしい経験と幸福感で満ちていた今までの道のりを飾る有終の美のようなものになるだろう。立ち止まるべきときがやってきたんだ。このグループから他のプロジェクトが生まれるように。

私たちはこの記念を来年コンサートで祝いたい、 そして、このアルバムに協力してくれたアーティスト、そして、今までこの道のりを共に歩いて来てくれた人々全てに、感謝を捧げたいと思っている。」

こちらが先行シングルの『CORRIENTE VITAL』PVです。


*******


声明を読み返しや新譜を聞きながら今回の件について考えていたので、感想を追記しておきます。

今、現地企業でスペイン人に囲まれて働いているため、日々文化の違いを実感しているのですが、良くも悪くも集団より個人を尊重する文化なんですよね。日本と正反対で、個人の意志を犠牲にしてまで、集団を護ろうっていう考えが基本的にはありません。そのせいで、全然まとまりがないんですけど。

それを反映してか、こちらのバンドもこのメンバーでやりたいっていうよりは、たまたま目的が同じだから一緒にやってるって感じのゆるいつながりのように見えます。だから、オホスを続けるために、誰かが無理をしなければならないとしたら、解散になるのが当然の流れなのかもしれません。そう考えると、10年も続いたと言うのが奇跡のような…。

Déjala pasar corriente vital
Déjala que corra libre como perra sin bozal
Acompaña la corriente vital
Somos luces que se cruzan y se quitan, no se dan


生命の流れを流れるままにして 
繋がれていない犬のように自由に走らせろ
生命の流れが伴う
私たちは交わっては離れる光 譲歩したりはしない

つねに前向きで変化を恐れないオホスらしい力強い歌詞を聞いているうちに、私も彼らの新たな旅立ちを祝いたい気持ちになってきました。未知の世界に導いてくれる新しい道が見つかるのは素晴らしいことなんだと、Marinaマリナの弾けるような笑顔が語ってますよね。やっぱりオホスは最後までオホスらしいな!
Que tengáis mucha suerte en vuestro nuevo camino!

divendres, 1 d’octubre del 2010

さよなら、オホス・デ・ブルッホ〜Adeu, Ojos de Brujo

残念なニュースが飛び込んできました。
Ojos de Brujoオホス・デ・ブルッホが2001年の1stアルバム『Vengue』の発売から10周年となる2011年に解散することが決まったそうです。

最後のアルバムとなるのが10月19日発売予定の『10 AÑOS-CORRIENTE VITAL』。今までのシングルを全曲集めたコンピレーションで、Estopa、Miguel Campillo、Bebe、Jorge Drexler、 Amaral、 Manolo Garcia、Najwa Nimri、Roldan de Orishasといったスペイン語圏ではお馴染みのミュージシャンが多数参加しているとか。

1枚目のシングル『CORRIENTE VITAL』が先行でこちらから購入できるようになっています。

その後年明けの2011年に世界中を回る解散ツアーをスタート。「このツアーは、今までにたくさんのことを学び、素晴らしい経験と幸福感で満たしてくれた道のりの有終の美を飾るものになるだろうね。立ち止まるべきときがやってきたんだよ。このグループから他のプロジェクトが生まれるように。」と公式声明でコメントしています。

6月のフェスで数年ぶりに彼らライブを観たときに、トランペットの加入の影響が予想以上に大きく、アレンジが大幅に変更された昔の曲が今ひとつしっくりこなかったので、残念な反面しょうがないのかなという気もしているのですが…。

もう10年か…と一つの時代の終わりを感じるニュースでした。

*追記ー解散続報の新曲PV&公式声明はこちら

divendres, 24 de setembre del 2010

ラ・トロバ・クンフーと過ごすメルセ〜La Mercè amb La Troba Kung-fú

昨日(9/23)からバルセロナ市のFestes de la Mercèメルセ祭りが始まりました。バルセロナ市の守護聖人メルセを祝うお祭りで、日曜までは市内各所でイベントが目白押し。カタルーニャの伝統行事からコンサートやダンス、ワークショップまで、そのほとんどが無料で楽しめます。

フェスタのための音楽ルンバ・カタラーナのミュージシャンたちも大忙しで、昨日だけでもLa Troba Kung-Fú、La Pegatina、Pantanito、Los Impagaos、Txarly Brown DJ、Banda Achilifunkと6つもルンバ関連のライブがありました。その中でも、こよなく愛するバルセロナのお祭りとあって、勢力的に活動していたのがラ・トロバ・クンフーの面々。今回はそんな彼らのメルセをレポートします。

まずは、7時からラバル地区にあるBar el Mariacchi バル・エル・マリアッチとラ・トロバが共同で作ったワインClavell Morrenetクラベイ・ムラネ(黒いカーネーションの意味)の試飲会がありました。

©S.NORI
アットホームな雰囲気の中、ワインが振る舞われていい感じになったところで、Joanジョアンのアコーディオンを中心としたアコースティック・セットで10曲ほど演奏。ベンティラドール担当のMuchachoムチャチョが欠席だったためルンバ色は弱冠薄めでしたが、しっかりとガト・ペレスの曲もやっていました。『次は10時半からカタルーニャ広場だからね〜』と上機嫌でバルを後にするラ・トロバの面々。 

その言葉通り、10時半からはメルセ祭りのメイン会場カタルーニャ広場で、ニューアルバム『La Pantxa del Bou(牛のお腹の意味で、カタルーニャで良く知られた漫画にちなんだもの)』の発売記念ライブが行われました。

実は5/5にも新譜発表の名目でライブが行われていたのですが、プレスが間に合わなかったようで、会場ではこちらの映像に映ってるCDRに焼いた手作り感たっぷりの簡易版が5ユーロで販売されていました。
 

この映像では50枚しかない限定版と紹介されていてちょっと笑えます。ちなみに、紙のジャケットには『Auesta serà el nou disc de La Troba Kung-Fú que trabareu a les botugues d'aquí uns dies(これが近日中に店頭に並ぶ新譜です)』と書かれています

その後完成版が無事店頭に並び、今回の改めて発売記念ライブとなったわけです。会場のカタルーニャ広場はバルセロナの中心にあるので、アクセスも抜群。若い者からお年寄り、バルセロナ市民から観光客まで様々な層の人々が集まって、開始予定時刻にはほぼ一杯。

©S.NORI

定刻を少し過ぎた頃に始まったライブは、新旧ほどよく織り交ぜた選曲で、アンコールまで入れてざっと2時間。この前にムチャチョなしの演奏を聞いていたせいか、彼のギターのパワーを再認識しました。『ベンティラドールはエンジン』とは良く言ったもの。たったギター一本なのに、ベンティラドールが入るだけで一気にヒートアップするんですよね。また、べたべたのクンビアをやっても、ルンバのテイストを失わないのは彼のベンティラドールがあるからこそ。どんなジャンルの曲をやってもカタルーニャらしさを失わないジョアンとムチャチョのコンビは最強ですね。

©S.NORI
途中でPapawaパパウワのSamサムやSabor de Graciaサボール・デ・グラシアのボーカルSicusシクス、 ムチャチョの実の弟のフラメンコダンスなど、次から次へとゲストが現れ、賑やかなライブになりました。また、今回は赤と緑のドレスを纏って優雅にコロンビアの民族ダンスを踊る二人の美女の登場もあって、お祭りムードも倍増。

©S.NORI
確実に雨が降るだろうという大方の予想を裏切り、途中す雨粒が落ちた瞬間があったものの、最後まで持ちこたえてくれました。この後、ムチャチョは1時半からのBanda Achilifunkバンダ・アチリフンクに参加するため、El Formまで向かいましたが、私のレポートはここで終了。Visca La Rumba!!
 

divendres, 17 de setembre del 2010

ルンバ講座12『ルンバとメスティサヘその2』

コロンブスが新大陸を発見して以降、スペインは長い間、外国へ移民を送り出す側の国でした。そのため、バルセロナにおいても長い間、移民と言えばアンダルシアやムルシアから北上してくる国内移民のことでした。
1992年のバルセロナ・オリンピック開催を契機に、こうした状況が大きく変わり始めます。オリンピック景気に沸くバルセロナに、外国からの移民の姿が見られるようになったのです。オリンピック景気が終息すると、今度はユーロ景気。1999年の通貨統一を目指すEUは、域内の経済的不均衡を是正するために、経済的に立ち遅れていた地域に補助金を出す政策を取り、スペインもその恩恵を受けることになりました。
経済の活性化とともに、EU域内における人の移動の自由が、スペインに国外から流入する移民の数を急激に増加させました。ヨーロッパを目指す移民たちにとってスペインがヨーロッパへの扉となったからです。植民地時代から深い関わりのあるラテンアメリカの経済危機や、地理的に近いアフリカ大陸での数々の紛争も、移民の増加に拍車をかけました。こうしてスペインは短期間で移民を送り出す国から、移民を受け入れる国へと変貌したのです。
スペインの社会の変化を反映して、1990年代半ばのバルセロナはヨーロッパを代表するコスモポリタンとなっていました。多種多様な文化が共存する状況の中で、様々なジャンルの音楽の要素を取り入れながらも、ルンバを意識した音楽活動を行うグループが、若い世代から姿を現し始めます。 

 アコーディオンでルンバを奏でるDusminguetsドゥスミンゲツTroba Kung-fúトロバ・クンフーJoan Garrigaのグループです。1998年発売の1stアルバム「Vafalingo」から。

メッセージ性の強い歌詞を個性的なボーカルで表現するMacacoマカコ。1999年発売の1st「El Mono en el Ojos del Togre」から。


そして、ルンバにターンテーブルを持ち込んだOjos de Brujoオホス・デ・ブルホ。2001年発売の1st「Vengue」から。

こうしたグループの登場によって、ルンバ・カタラーナが再び注目を集めるようになります。この流れを象徴するのが、2000年に発表されたペレの『El Rey de la Rumbaルンバの王様』。若い世代のグループをゲストに迎えて、ペレが自らの代表曲をカバーするセルフカバーアルバムです。私がペレを知りルンバにはまったのも、このアルバムの発売直後にTVでPVを見たのがきっかけでした。

Jarabe de Palo&Elena Andújar、El Gran Silencio、Estopa、 Los Enemigos、Carlos Jean、Tonino Carotone&Mastretta、Amparanoia、 Dusminguet、David Byrne y Carol C、Malou& Nilo、 Macaco&Ojos de Brujo、Professor Angel Dust、Sargento García、そしてFermin Muguruzaという参加ミュージシャンの顔ぶれを見ると、メスティサヘシーンへのペレとルンバ・カタラーナの影響の大きさが伺えます。

日本での知名度はいまいちなのですが、スペインの一般の若者層へのルンバ浸透に、大きな功績を果たしたのが、このアルバムにも参加しているEstopaエストパ。彼らはバルセロナ近郊の都市Cornellàコルネリャの出身の兄弟デュオで、キンキ(詳細はこちらを参照ください)の直系のルンバを前面に出したデビューアルバムが大ヒットしてから早10年、安定した人気で国民的バンドの地位を不動のものにしています。刑務所を出るところから始まるこのPVは、キンキ映画へのオマージュ。


こうして、現在メスティサヘやバルセロナ・サウンドと呼ばれるシーンが形作られていったのです。

dimecres, 18 d’agost del 2010

ルンバ講座11『ルンバとメスティサヘその1』

さて再び舞台はカタルーニャ。 
ルンバ・カタラーナを一つのジャンルとして定義づけたGato Perezガト・ペレス(詳しくはこちらの回を参照ください)ですが、彼のもう一つの功績が、現在ではMeztisajeメスティサヘ(混血)と呼ばれるルンバと他のジャンルの音楽の融合を始めたことです。
ガトはルンバに出会う前に『Ona Latinaラテンの波』と呼ばれるジャズ・ロック・フォークを融合した音楽を演奏していました。そんな彼にとっては違うジャンルの音楽を混ぜ合わせて自分の音楽を作るのは、至極当たり前のこと。積極的にルンバと他のジャンルの音楽を混ぜ合わせて、新しい音楽を作っていきます。これが、近年になってガト・ペレスの再評価が盛んになっている理由です。
特にアルゼンチン時代に親しんでいたラテン音楽を取り入れて、さらにラテン色を強めたサルサ風のルンバは、グラシア地区のルンバの代名詞ともなりました。その忠実な継承者が94年に結成して以来現在まで活動を続けているSabor de Gràciaサボール・デ・グラシア。こちらは、メスティサへ系ルンバからの豪華なゲスト陣を迎えたSabor pa' Rato』。
バルセロナ・メスティサヘの父とも言えるガトは、1990年に39歳の若さでこの世を去ってしまいますが、その後間もなく92年のバルセロナ・オリンピック開催によって、再びカタルーニャにルンバ・ブームが訪れます。10年間の沈黙を破ってルンバの王様Peretペレが復活し、ルンバ第二世代Los Manolosロス・マノロスの成功によって、ルンバは世界に知られるようにもなりました。
これと時を同じくして、ガトが理論付けたルンバをコンセプトに作品を制作するミュージシャンが現れます。それがカタルーニャの奇才Albert Plaアルベルト・プラ。カタルーニャ語で歌うシンガーソングライターとして知られたアルベルトが、オリンピック年に発表した「No Sólo De Rumba Vive El Hombre」は、ルンバをテーマにした異色のアルバムです。
ルンバはキューバ音楽からの影響で、サビの部分でボーカルとコーラスがコール&レスポンスが行われるのが定番なのですが、アルベルトはギリシア悲劇も同じ形式を持つことに注目して、この二つを重ね合わせるのです。ルンバとギリシア悲劇の融合とも言われているのが、妻を寝取られた男が引き起こした復讐の惨劇を描いた「Joaquin El Necio」。かなりグロテスクな映像も含まれているのでご注意を。
このPVを見るだけでもなんとなく伝わると思いますが、アルベルトはエキセントリックな人物として有名です。ある劇作家が彼の才能にほれ込んで、主演で舞台を制作しようとしたのですが、実際に彼と作業を始めてみると、相次ぐ彼の奇行に作業が全く進まず、その狂人ぶりに匙を投げ、計画を断念したという逸話があるほど。
この全曲スペイン語で歌った初のアルバムはいくつもの賞を受賞し、彼の代表作となりました。独自の解釈でルンバという新境地に挑戦するのアルベルトを脇から支えたのは、ペレのパルメロだったPeret Reyesペレ・レイェス(現Papawaパパウワ)とJohnny Tarradellaジョニー・タラデリャによるChipénチペンです。彼らの参加によって、趣の違う一曲一曲がルンバという糸でしっかりと繋がり、現在ではルンバの傑作アルバムの一つに数えられています。
こうしてルンバと他のジャンルの融合メスティサヘが確立されていったのです。

diumenge, 8 d’agost del 2010

日本語のルンバ誕生!!

今回は、ルンバの王様ことペレの代表曲『El Muerto Vivo』の日本語カバーをご紹介します。

元Los Manolosロス・マノロスのドラマーで、ルンバの情報サイトカラルンバの管理人をしているラモンと知り合ったのは、2008年12月に開催された第一回ルンバ・カタラーナシンポジウムに参加したとき、偶然席が隣になったのがきっかけでした。そのときに日本語でルンバをやりたいから手伝ってと連絡先を渡されたので、とりあえず話を聞いてみることにしました。

なんでもマノロス時代に招かれた日系企業のパーティで、楽しそうに踊る日本人を見て衝撃を受け、いつか日本語でルンバを作りたいと思ったそうで、この長年の夢を今のバンドRumba Tarumbaルンバ・タルンバ(バンドについての詳細はこちらをご覧ください)で実現したいから、是非とも協力して欲しいとのこと。さらに話を聞いてみると、彼のアイデアはルンバ・カタラーナで最も有名なペレの『El Muerto Vivo』の歌詞を日本語に訳して歌うというもので、この作詞の部分を私に担当してもらいたいということでした。

この曲は60年代にペレが大ヒットさせたために、ペレの楽曲だと思っている人が多いのですが、実はコロンビア人Guillermo González Arenasギエルモ・ゴンサレス・アレナスがオリジナルだそう。ペレが最新作でOjos de Brujoオホス・デ・ブルホのMarinaマリナを迎えたバージョンはちょっとサルサ色が強いので、Muchachito Bombo Infiernoムチャチート・ボンボ・インフィルノのJairoジャイロとのライブ・バージョンで。


もちろん訳詞なんてやったことはありませんでしたが、面白そうなことは引き受けてみることにしているので、早速作業ににとりかかりました。いつもやっている普通の翻訳と違って、音に乗せなければならないので文字数に限りがあるのと、スペイン人にも発音しやすい言葉を選ぶのが大変でしたが、スペイン人の夫に実験台になってもらって、訳語を決めていくのはなかなか楽しい作業でした。訳詞の内容は、オリジナルに忠実に作ったつもりです。

こうして、何とか形になったところで、次はレコーディング。楽器の演奏部分はすでに完成していて、発音指導ということで歌入れに立ち会っていたのですが、結局のところコーラスも歌うことに。歌に自信なんか全くないので散々渋ったのですが、口でカタルーニャ人4人に勝てるわけもなく…。この年になると生まれて初めての経験するってことが、めっきり少なくなるというか、ほとんどないので、終わってみれば楽しい経験になりましたが。

ところが、これで満足するようなラモンではなく、昨年4月のアルバム完成後は、ビデオクリップが作りたいといい続け、つい先日念願かなってビデオが完成しました。声だけならともかく、姿まで映っているビデオを紹介するのは、恥ずかしいことこの上ないのですが、ラモンの熱意に負けました…。それに上手いとか下手とかは関係なしに、好きな事はやってしまえというのが、こちらで学んだカタルーニャ流人生の楽しみ方。ということで、日本語版El Muerto Vivo『元気な死人』をご紹介します。


ルンバにぴったりの舞台、結婚パーティで撮影したもので、カメラを回してくれたのはチェ・スダカのドキュメンタリーなどを手がけるMarta Pujolマルタ・プジョルとミクスチャー系音楽のサイトRadiochangoラジオチャンゴのEl Magoエル・マゴことVinxヴィンス。まあ、私のパートはともかく、ルンバの楽しい雰囲気が伝わればいいなと思っています。

日本の皆さんにも歌って欲しいとラモンが自ら日本語字幕を付けたので、みなさん一緒に歌ってみてくださいね~。

dimarts, 27 de juliol del 2010

カタルーニャ語を学んでみませんか?

以前のルンバ講座で説明しましたが、ルンバ・カタラーナなどカタルーニャ文化の核となっているのが独自の言語カタルーニャ語です。スペインでもカタルーニャ以外の地域では勉強する機会を見つけるのが難しいのが現状なんですが、なんと日本にはカタルーニャ語の講座があるんです。それが、世界各国でスペイン語の振興と教育、そしてスペイン及びスペイン語圏文化の普及に努めるInstituto Cervantesインスティトゥト・セルバンテスの日本支部セルバンテス文化センター東京が、カタルーニャ文化の普及を担う L'Institut Ramon Llullインスティトゥト・ラモン・リュイスの協力で講座を企画しているこちらのカタルーニャ講座。

<カタルーニャ語一般コース>
 登録期間:825日(水)~922日(水)
入門 A1/1 30時間
時間割
コースNo
曜日
時間帯
開始日
終了日
13時間
099
15:30-18:30
102
1211

このコースは、欧州評議会の定める語学力評価基準に沿ったレベル分け、セルバンテス文化センター及びInstituto Ramón Llull の学習指導要領に基づいて実施するコースです。A1/1レベル30時間コース。基本的な日常会話に必要な単語、表現、文章の構造などを理解し、使用することを目的とし、コミュニケーションに焦点を置いて、初日からクラスで学んだことを使用して会話をします。
お問い合わせ:電話03-5210-1706
この講座のサイトはこちら

実は私自身も日本にいた頃、この講座の前身となる日本・カタルーニャ親善協会主催のカタルーニャ講座に通っていたことがあります。日本でカタルーニャ語を勉強していたと言うと、本当に日本には何でもあるんだなって関心されます。カタルーニャはなんだかんだ言ってもカタルーニャ語で溢れているので、興味のある人はちょっとでもかじってみると、また違う側面が見えてきてとても面白いですよ。

ついでに、カタルーニャ語とスペイン語の違いについてお話しておきましょう。この二つの言語にはいろいろと違いがあるのですが、一番大きな違いは音というか響きだと個人的には思っています。ぼーっと聞いていても、耳障りが全然違うんですよね。ということで、メスティサヘ系ルンバを代表するLa Pegatinaラ・ペガティナの曲で、二つの言語の音の響きの違いを比べてみましょう。まずは、スペイン語で歌っている『Mirannda』。

次にカタルーニャ語で歌っている『Gat Rumberu』を聞いてみてください。
いかかですか? 同じ人が歌っているんですけど、大分違って聞こえますよね。