dimarts, 12 d’abril del 2011

Peretペレが語る音楽人生-後編

©Kan Kanbayashi

-バルセロナとルンバ・カタラーナの関係について話してもらえますか?

バルセロナとルンバ・カタラーナの間には強い繋がりがあります。ルンバ・カタラーナはこの地で生まれた土着の音楽ですから。だから、ルンバ・カタラーナの中にカタルーニャの伝統的な煮込み料理を歌う歌があり、ブティファラ(ソーセージ)を歌う歌なんてものもあるんです。「僕のお母さんは僕たちに、エスクデーヤ(煮込み料理)を作ってくれた。汗をかきながら。ママ、なんて素晴らしい!」。  

また、
ルンバはヒターノのものだからヒターノについても歌っています。ランブラス通り(訳注:バルセロナの中心街にある遊歩道)について歌った歌や、バルセロナの地区について歌った歌など、もちろんバルセロナを歌ったものもたくさんありますよ。キューバ人がバルセロナにやってきて、ブティファラを食べて、パンコントマテ(訳注:トマトをなすり付けたパンに塩とオリーブオイルをかけるカタルーニャ発祥の食べ方。好みに応じてにんにくを加えてもOK)を食べて、ヒターノと一緒にルンバ・カタラーナを踊るっていう歌もあるんですよ。  

ルンバ・カタラーナはリズムから生まれました。それはロックからきたリズムで、そこには全く目新しいものはありません。ロックのリズムだってもっと以前からあったんですから。
キューバの偉大なミュージシャンで、ペレス・プラドというマンボの奏者をご存知ですか? ルンバのギターのリズムは彼のトランペットを真似たものなんです。ペレス・プラドがそれをどこからもってきたのかわからないけど、私は彼をとても尊敬しています。実は、アメリカで一緒に演奏したことがあるんです。彼のテレビ番組に参加して、尊敬していた人たちと一緒に演奏ができたんですよ!!

-ルンバはつねに人々から愛されてきたんですか? 

スペインでも消えたり浮いたりしてきましたよ。私は引退して10年間教会に入っていたことがあるんです。ちょうどオリンピックの前のことです。復帰した時には、ロス・マノロスというグループがルンバのヒット曲を生み出していました。「ぜひオリンピックの閉会式にでてほしい。誰と一緒にやりたいか」と聞かれて、ロス・マノロスとジプシー・キングスとやりたいと言いました。結局、ジプシー・キングスは来れなかったので、ロス・アマヤスが出ることになったんです。 

自分が不在の間も次の世代のミュージシャンが、ルンバが消えないように演奏を続けていてくれました。そのおかげでルンバが若さを取り戻したんです。だから、世代を越えてやっていくというのは、すごく重要なことだと思っています。いまクラスをやっているのも、若い世代を育てるためです。
-ルンバはこの先もずっと、100と200年と続いていく音楽だと思いますか?
もし私が今やろうとしていることが成功すれば、生き続けるでしょう。でも、小さな問題があるんです。名前が変わってしまったと言ったらいいでしょうか。サルサはご存知でしょう? 自分たちがやっているのはルンバ・カタラーナだと言って、サルサをルンバ・カタラーナと称して演奏している人たちがいるんです。若い世代の中には、サルサをルンバ・カタラーナだと思っている人もいます。

サルサを好きな人がルンバを演奏すると、どうしてもその影響が大きくなってしまう。それはしょうがない面もあるけど、問題でもあります。だから、今私がやらなきゃいけないのは、サルサとルンバをきっちりわけること。何がルンバ・カタラーナなのかということをはっきりさせて、紹介していかなきゃいけないと思っています。
-日本に来る予定はないですか?
本当は中国にいく予定があったんですけど、遠すぎるから断ってしまいました。日本がもう少し近くに来てくれればいいんですけど(笑)。飛行機があまり好きじゃないしこの歳では旅は難しいね。小さいひ孫たちをおいて旅に出るのがはばかられるんですよ。これから自宅に戻ってパソコンの前に座ると、ひ孫たちがよってきてキスしてくれる。それが私の現在の生活で、それが今は一番大切です。
(前編はこちら
ヨーロッパの国別対抗歌合戦ユーロビジョンにスペイン代表として登場したときのペレ。生きる歓びを歌った「Canta y Sé Feliz(歌って幸せになろう)」というこれまたルンバらしい一曲です。



こちらがバルセロナ・オリンピック閉会式の映像で、歌っているのは『Gitana Hichicera(魅惑的なジプシー女)』。インタビュー中に出てくるバルセロナを歌ったルンバの一つで、女性になぞらえてバルセロナの魅力を歌ったものです(オリンピックに関してはこちらの記事も参照ください)。ちなみにこの曲を意識して作られたと思われるのが、ウディ・アレンの『それでも恋するバルセロナ』の主題歌Giulia Y Los Tellariniの『Barcelona』。


このインタビューで個人的に印象に残ったのは、彼が自ら修道院に引き篭もった時期の話をしたことでした。というのも、この時期に関する質問はタブーだと聞いたこと があったからです。音楽から離れた時期も含めて自分の音楽人生を丸ごと受けとめているからこそ、ペレは「やり残したのは、若い世代を育てることだけ。」と 言い切ることができるんでしょうね。