現在のところ、世界中にたった一つしかないルンバ・カタラーナ専門タブラオがバルセロナにオープン(一年以上前の話になってしまうのですが、ラジオのルンバ特集に寄せたコメントで触れたものの、調べてみたらネットに日本語の情報がなかったので急いでアップしたところです)。
タブラオは歌と踊りのフラメンコ・ショーが見られる場所で、バルセロナにも伝統あるタブラオが何件かあります。かつて、タブラオではいわゆる「フラメンコ」とともにルンバ・カタラーナも演奏されていて、例えばカタルーニャが生んだ奇才、画家のサルバドール・ダリは自らPVに出演するほどのルンバ好きだったそう。
ところが、世界的に有名になった「フラメンコ」をメインにプログラムを組んだ方が観光客に受けが良いということで、ルンバ・カタラーナはタブラオからすっかり姿を消してしまっていました。
そこで、タブラオで楽しむルンバ・カタラーナを復活させようという目的で昨年ゴシック地区のど真ん中、レイアール広場の近くにオープンしたのが「LA RUMBATA ラ・ルンベタ」です。
目的が本格的なルンバ・カタラーナの紹介なので、基本的に舞台に立つのはバルセロナのヒターノ・ミュージシャンのみ。若手からベテランまでが日替わりで登場します。その顔ぶれの中にはLa troba kung-fu ラ・トロバ・クンフーのギタリストMuchacho ムチャチョの姿も。
ルンバ・カタラーナの原形を再現しようと、ボーカル、ギタリスト二人、パルメロス(手拍子)一組にボンゴという編成。今ではルンバ・カタラーナのパーカッションといえばカホンが定番になりましたが、もともとはボンゴ、それもプラスティック製のものが使用されていたとか。
2015年7月現在、約一時間のショーは毎日20時半開演で、料金は1ドリンク付き27ユーロとタパス4つ&4ドリンク付き42ユーロの2パターンから選べます。詳細やネット予約は公式サイト(英語)を参考にしてください。
ルンバ・カタラーナを始めとして、ヒターノの音楽の魅力はなんといってもコンパスと呼ばれるリズムとメロディがごったになったグルーブ感のようなもの。このボーカルとドラムという珍しい編成のフラメンコにコンパスの魅力がよく出ています。
踊りがあると目を奪われて音に集中できないので、コンパスの魅力をじっくり味わうには歌がメインの方がいい。そして、ヒターノの音楽の最大の魅力は音によって「場」を生み出す力にあるので、やっぱり生演奏を体感するのがベスト。さらに、ベンティラドールとパルマの迫力はどうしても録音では伝わらない。
ということで、バルセロナにお越しの際には、ぜひともルンバ・カタラーナを味わって帰ってください。
*こちらのショーではルンバに関する解説などはないので、ルンバというジャンルに興味のある方は当ブログのルンバ講座を参照ください。さらに深くルンバについて知りたいという方がいらっしゃれば、ミニ講座なども考えますので rumbanipona*gmail.com(*を@に替えてください)までメールください。